2024-02-21から1日間の記事一覧

二つ月の神話 二(5)

目が覚めると、木の葉を敷きつめた寝台の上に寝かされていた。 日の光がわずかに差すそこは、洞窟の中の様だった。 傷を負った手を見れば、布が丁寧に巻き直されている。「起きたか」 ボソボソと話す、酷く年を取ったしわくちゃの老人がいた。男か女かすら迷…