2024-04-03 二つ月の神話 終 長編 二つ月の神話 「雛鳥!」 凪が雛鳥を呼んだ。 「行こうか」 凪が言った。 「導いてくれ、我々を」 「ええ」 渡りの民を乗せた幾艘もの舟が陸地を離れていく。 雛鳥には、解放された龍の子達が陸地を走る姿が見えた。走って、走って、やがて龍の子達は龍となり、くるりと回って海へと、雛鳥達の乗る舟へと合流する。 見えない龍達と共に、舟はぐんぐん進んでいった。