二つ月の神話 終

「雛鳥!」

凪が雛鳥を呼んだ。

「行こうか」

凪が言った。

「導いてくれ、我々を」

「ええ」

渡りの民を乗せた幾艘もの舟が陸地を離れていく。

雛鳥には、解放された龍の子達が陸地を走る姿が見えた。走って、走って、やがて龍の子達は龍となり、くるりと回って海へと、雛鳥達の乗る舟へと合流する。

見えない龍達と共に、舟はぐんぐん進んでいった。