2024-03-09から1日間の記事一覧

二つ月の神話 二(16)

翌朝、慌ただしい朝の仕事を終えてから、雛鳥は凪のいる天幕に入った。「水瓶を割ってしまったそうだね」 雛鳥の顔を見るなり、凪が言った。「ごめんなさい。でももう片付けたし、それにあれは、私のものよ。元々私の父が作った、母への贈り物なんだから…」…