神話

二つ月の神話 三(9)

名前のない少年は、暗闇の中で誰かの声を聞いた。「…目を開けて」 少女の声だ。だが、自分に対して言ったわけではないのだろう。少女は自分の名前を呼んだではないのだから。名前のない少年はそう考えた。 *** 雛鳥は倒れているクス・シイを見つけて呼び…