2024-02-19から1日間の記事一覧

二つ月の神話 二(3)

ふくろう神を探して、森の中をさ迷っていると、一人の男に出会った。 その男は、右手に木の杖を持ち、左手には小さな矢を握っていた。男の顔には、あのふくろう神の羽の模様と同じ模様の刺青が施されていた。 雛鳥と対峙した男は、手に握っていた矢を雛鳥の…

二つ月の神話 二(2)

雛鳥は、少年が口にした、天の河について考えていた。 天の河の話は、囲いの集落の長の家で聞いたことがあった。 川の上流を上った先にある、神々の集う河の話だ。 川を上流に向かって辿って行けば、あの神のいる所へ行けるのだろうか。 ふと雛鳥は、一つの…